全米オープン男子決勝

全米オープンテニスの男子決勝戦はジョコビッチ対デルポトロ。
力強く攻め込むデルポトロと粘り強く守るジョコビッチの間で熱戦が繰り広げられた。

第1セットはジョコビッチが辛くも先取。

第2セットに入っても両者譲らず。ジョコビッチが第3ゲームをブレークするが、第6ゲームでデルポトロがこの試合初めてのブレークでゲームカウントを3-3とタイに戻した。続く第7ゲームはデルポトロがストレートでキープ。サーブが決まってきて、このセットはデルポトロが優勢、ジョコビッチにも少し焦りの色が見えだした。

その次の第8ゲームがこの試合の大きなポイントになった。デュース8回、ブレークポイントは3回あったが最後はジョコビッチがキープ。20分を超えるゲームとなったが、調子が上がってきたところで連続してブレークできなかったデルポトロにとっては痛い展開。
結局タイブレークにもつれ込んで第2セットもジョコビッチが取った。

ジョコビッチのサーブで始まった第3セットもお互いの長所を発揮しあうが、第4ゲームでジョコビッチがブレーク。しかし、直後の第5ゲームはデルポトロがブレークし返して2-3に戻す。そして両者ともサービスゲームを難なくキープして3-4で第8ゲームへ。このセットも両者譲らずタイブレークかと思われたが、ここでデルポトロに痛いダブルフォルトが出てしまいブレークポイント。さらにミスが続きこのゲームを落として5-3でジョコビッチのサービスゲームを迎えた。最後はデルポトロのふらっと浮いた返球をスマッシュして試合終了。

データを見るとまさに互角の戦いだったが、デルポトロのミス(アンフォースト・エラー)が僅かに多く(47回対38回)、ブレークポイントをものにした回数で勝るジョコビッチの勝利となった。

両者とも持ち味を発揮して見応えのある試合となったが、残念だったのは観客席。主審が再三にわたり静かにするよう求めるが、耳を貸さない。特にデルポトロのサーブになると歌声まで聞こえてくる状況。別のスポーツの応援を見ているようだった。サーブの態勢に入ってからも声が出てくるのにはげんなり。途中、ジョコビッチは明らかに苛立っていた様子を見せていたが、いつもながらに長い間合いが更に長くなり、タイムバイオレーションを取られたが、何とか切れずに持ちこたえた。
ここの観客のお行儀の悪さは昨日、今日に始まったことではなく、トーナメント途上の試合でも客席が騒がしく、ゲームが始まってからも席に移動する客がいたことは画面にも映し出されていたが、こうして連日にわたって残念な観客の姿を見せられると本当にうんざりする。

一部の観客の行いと思いたいが残念だった。怪我から復帰したデルポトロのプレーも良かったし、ロングストローク一辺倒のジョコビッチに対して、パワーだけではなくドロップショットを織り交ぜてネット際におびき出して揺さぶりをかける戦術も見事だった。彼には罪はないが、観客のことを考えるとデルポトロに勝ってほしいとは思えなかった。そのジョコビッチも前日の試合に対するコメントが物議をかもしているが、これは解釈が難しいところ。
来年グランドスラムを見に行くんだったらやっぱりウィンブルドンかなと思った。

 

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