ナショナルリーグは最後の3連戦に混沌とした状況でもつれ込む

今年のMLBレギュラーシーズンもいよいよ大詰め。今日から最後の3連戦となった。ほぼ終わった感じのアメリカンリーグに対して、ナショナルリーグのポストシーズン進出をかけた争いが混沌となっている。

ナショナルズの所属する東地区は、早々とブレーブスが地区優勝を決めて、ディビジョンシリーズへの進出を決めた。しかし、他の2地区では優勝が決まっておらず、中地区3位のカージナルもポストシーズンへの望みを繋いでいる。

セントラル地区ではカブスとブリュワースが1勝差で優勝を争っているが、この2チームは少なくともワイルドカードゲームへの進出を決めている。とは言え、地区優勝と2位ではその後の展開が大きく異なるので両チームとも気が抜けない。
西地区でもロッキーズとドジャースが1勝差で優勝争いをしており、どうなるか分からない状況。

問題を更に複雑にしているのが、セントラル地区3位のカージナルス。地区3位は確定しているが、現在87勝とドジャースと1勝しか違わない。そのため、この3連戦の結果次第では、カージナルスにも勝率でポストシーズン進出のチャンスが残っている。カージナルスが2~3勝して西地区の2位チームが思うように勝てないと、セントラル地区から3チームがポストシーズンに進む可能性もある。
そのカージナルスの相手は同地区1位のカブス。カブスのポストシーズン進出は決まっているが、地区1位で抜けて3戦先取のディビジョンシリーズからポストシーズンを始めるのと、地区2位で1試合必勝のワイルドカードゲームを戦わなければいけないのとでは負担が全く違う。地区優勝を決めるまでは気合を入れて試合に臨むだろう。まさにワイルドカードゲーム導入効果があったと思わせる展開。

ポストシーズンに絡むチームが直接対決するのは、このカブスとカージナルスだけで、後のチームは既に敗退が決まった相手との対戦。となるとカージナルスにとってなかなか厳しい戦いになることは予想される。

そんな中で、既に終わった感のあるナショナルズは、西地区1位のロッキーズとの対戦が組まれている。サンフランシスコでジャイアンツと対戦するドジャースの状況次第だが、ロッキーズは全部勝つつもりでくるだろう。他方でナショナルズは本拠地での全日程を終え、ハーパーの動向に関心が向いてしまっているあり様だ。
情けないが、とりあえず2敗して、その間にドジャーズも1回は負けてロッキーズの地区優勝が決まったところで最終戦を迎えられないだろうか。そうすると、ロッキーズは10月4日(木)のポストシーズン初戦に向けて調整モードとなって、シャーザーが楽勝で19勝目を挙げて単独最多勝という展開になりそう。地区優勝をかけた最終戦というのは避けたいところ。

間もなく3連戦初戦がプレーボール・ナショナルズは消化試合のようだが、ナショナルリーグの展開からは目が離せない。

 

(補足)「プレーオフ」
アメリカでは、スポーツにおける「プレーオフ」は一般的にはレギュラーシーズン後のチャンピオンを決める試合を指すことが多いが、MLBでは公式には「ポストシーズン」の語を用いている。そして、MLBでは、同率になったチームのうちどのチームがポストシーズンに勝ち進むかを決めるタイブレーカー・プレーオフのことを「プレーオフ」と表現しており、この「プレーオフ」は、レギュラーシーズンの一部とされ、記録もシーズンの公式記録に含まれることになる。
ただし、一般的に、またメディアにおいてplayoffs(複数形のことが多い)と言う言葉が使われる場合には、ワールドシリーズ以外のポストシーズンの試合を指していることが多い(日本でのプレーオフの一般的な使い方は、MLBの公式用法に近い感じがします)。

 

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