ナショナルズでまたトレード

8月最終日の今日、ナショナルズでまたトレードがあった。

昨日先発したばかりのジオ・ゴンザレスが今日から3連戦のブルワーズへ、そしてDL(故障者リスト)から戻ってきたばかりのマッドソンがドジャースへ移籍。マッドソンはウェイバーでドジャースが獲得意思を表明し、代わりにマイナーリーグのピッチャーを獲得。

なぜこのタイミングでトレードになるのか
ワールドシリーズに至るポストシーズンの試合に出場するためには、8月末の時点で在籍している必要があり、上位が確定していたりワイルドカードに望みをつなぐチームにとっては、戦力補強のラストチャンス。

では、ナショナルズがポストシーズンを見据えたテコ入れの一環として相次いでトレードに踏み切っているのかというと、そんなことはなさそう。
現時点で勝率5割を行ったり来たり。9月に大進撃をすれば、理屈の上ではワイルドカードに手が届くが、ファンであっても一部を除いてほぼ諦め状態。しかも、トレードの内容を見るとベテランを放出するのみで、見返りの戦力補強をしているようには見受けられず、やっていることはテコ入れとは真逆。

ナショナルズとしては、フリーエージェント間近で高給取りのベテラン勢を放出して、年俸総額を下げ、資金的にも余裕を持ってオフシーズンの補強に臨もうということのようだ。

MLBでは年俸総額が一定額を越えると、贅沢税(通称:正式名称はCompetetive Balance Tax)としてその一定割合を支払う必要が生じる。この割合は、20パーセントで、2年連続超過で30パーセント、3年以上で50パーセントとなっている。さらに今年から、基準額を40百万ドル超えるとドラフトの指名順位が一部繰り下がるというペナルティーも導入された。
現行制度が導入された2003年以来、ヤンキースとドジャースは対象となり続けているが、2017年には、ナショナルズが初めて対象となり、対象チームは5チームとなった(他にタイガースとジャイアンツ)。
しかし、各チームとも年俸総額を下げてきており、今シーズン当初の見積もりでは、贅沢税の常連だが2017年に基準額を下回ったレッドソックスとナショナルズの2チームだけが対象となる見込み。

こうした事情もあって、年俸総額のカットに乗り出したようだ。現に、GMのリゾは「財政上の柔軟性(financial flexibility」を作り出すという言い方をしているようで、こんな言い方をするからファンからの評判を落とすんだと思うが、本音はそんなところだろう。

確かにこの年俸総額でこのチーム状態と言うのはガッカリなのだが、個々の成績は意外とそれなりだったりするので、チャンスに一本が出ないとか、つながりが悪い、継投ミスといった、マネージメント上の問題もやはりあるだろう。
今年はシャーザーが最多勝、サイ・ヤング賞を取れるかどうかくらいしか興味がなくなってきたが、オフシーズンの補強には注目したい。

 

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