DCでジョギング中の女性が刺殺される

あまりにもショッキングな事件が発生した。18日夜8時少し前、ワシントンDCでジョギングをしていた女性が突然刺され、助けを求めて近くの持ち帰り中華料理店に逃げ込んだがその場で倒れこみ、搬送先の病院で亡くなった。
被害者はウェンディ・マルチネスさん35歳。熱心なジョガーだったとのこと。犯行が起きたのは、ローガン・サークル近くの11ストリートとOストリートの交差点付近。

警察は当初3人の行方を追っているとしていたが、その後、からし色でひざ上までの長さのあるシャツを着て少し捲り上げた濃色のスエットパンツを履き、白い靴下と薄色のサンダルを履いている黒人男性を容疑者として追っていると発表。また、物盗り目的ではなく犯行の動機は不明であらゆる観点から捜査していると述べた。

この事件が起きた地域は、比較的治安が良いとされているところ。ワシントン・ポスト紙の記事によれば、今年に入ってからDCでは190件以上の殺人事件が起きているが、その半分以上はSE(南東)かNE(北東)で起きているものであり、このエリアでは暴力的な犯罪はあまりなく車上狙いが地区の犯罪のほとんどとなっている。実感としてもこれは当たっている。

DCに来てからしばらくの間、犯行現場からほんの少しだけ南西にある家具付きアパートに仮住まいしていた。その間、特に危険を感じるようなことはなかった。犯行現場自体はジョギングで通った記憶はないが、周辺は普通にジョギングしていたし、犯行があった通りも買物途中で歩いているのでこのニュースには本当に驚いた。

ローガン・サークル周辺はオフィスや商店街はほとんどない住宅街。物静かというか人の気配がないというか。特に週末はガランとしていたが、危険な感じはなかった。DCでは数字の付いた通りが南北になっているが、14ndは店が立ち並ぶ賑やかな通り、13は住宅街。ブロックが1つ違うと雰囲気は結構変わってくる。東に行く、つまり数字が減っていくにつれて寂れた感じになっていくようだ。
そうは言っても今回犯行があった11くらいであれば危険という感じはない。東京で言えば、世田谷とか目黒でジョギングしていて刺されるようなものである。しかも、午後8時という早い時間の犯行だ。
しかしサマータイムがまだ終わっていないこの時期の8時は微妙なところで、思ったより暗い。この間まで午後8時というとまだまだ明るかったのだが、ここのところ午後7時になると何と無く夜を感じるようになった。やはり、暗くなってからジョギングするのは避けた方が良いということか。

献花のために現場を訪れてワシントンポストでインタビューされた近所の女性ランナーも、「ここは『安全なルート』として使っていたのに」と言いつつ、普段から「ナイフを持って走っている」とか言ってるし、「(殺された彼女は)銃は持って走ってなかったのね・・・」みたいな読者コメントが記事に寄せられているのを見ると、なんだかなという感じ。結局のところ、薄暗くなったらジョギングも含めてなるべく出歩かないようにして危なそうなところには極力近づかないようにするしかないのだろう。

ニュースが流れた今日の夕方、近所にジョギングに出かけた。事件のことは知っているはずだが、ジョギングする人はいつも通り、むしろいつもより多かったかもしれない。DCのランナーが、できるだけ安全な時間と場所を選びながら走り続けることが故人の供養にもなるというのは日本的な発想だろうか。

亡くなったマルチネスさんのご冥福を祈るとともに、犯人が早急に逮捕されることを願っている。

 

コメント