2020年の羽田就航枠拡大によってアメリカの航空会社に12枠が認められる予定になっており、2月に各社から申請があった。これに対して、5月16日木曜に仮認可があったことが明らかになった。12枠の新規枠に対して4社から19路線の申請があったが、各社の結果は以下の通り。ユナイテッドのダレス線が成田発着から羽田発着に変わることがほぼ確実になった。
各社の仮認可状況
アメリカン航空
仮認可はダラス・フォートワースとロサンゼルスの2路線。ロスはアメリカンの羽田便としては増便になる。申請は4路線で、仮認可の2路線に加えてダラス・フォートワースもう1往復とラスベガスだった。結果は織り込み済みというところだろう。プレスリリースはこちら。
デルタ航空
シアトル、デトロイト、アトランタ、ポートランド、ホノルルの5路線が仮認可。申請はこの他にホノルルもう1往復の6往復だったので、都市としては満額回答。デルタは全路線に就航予定機材を発表しており、シアトル線には最新鋭のエアバス330−900neoを投入予定、デトロイト線にはエアバス350−900を投入予定と力が入っている。プレスリリースはこちら。
ハワイアン航空
ハワイアン航空からの公式リリースはまだないが、ホノルル1便が仮認可。3往復の申請に対して仮認可は1往復となった。
ユナイテッド航空
ニューアーク、シカゴ、ワシントンDC、ロサンゼルスの4路線が仮認可。今回のリリースでは明示されていないが、ニューアークが新規、シカゴとDCが移管、ロスが増便ということになる。ユナイテッドはこの他にヒューストンの移管とグアム線の新設を申請していたが、4路線の仮認可となった。
仮認可の結果をどう見るか
就航枠の配分が公平になるようにするためには、アライアンスを考慮する必要がある。日米双方が12枠ずつ分け合うとなると日本が後出しとなるが、日本の場合にはフルサービスのキャリアは実質的にJALとANAの2社なので、両社に均等か5−7の配分になるであろうことは予想に難くない。そうなると、日本に提携相手のないデルタに手厚い配分になることは想定の範囲内だった。予想と違ったのは、ユナイテッドとアメリカンが同数ではなく、UA4、AA2となったこと。ただ、元々の申請路線数が同数ではなかったこともあり、日本側の配分には大きな影響はないだろう。
新規就航都市は無難な選択にとどまる
今回の仮認可ではラスベガスが外れたため、東京からノンストップで行ける都市は増えなかった。成田から飛んでもいない都市にいきなり羽田線を解説というのも考えにくいので当然の成り行きかもしれない。日本側の増枠もあるし、成田線からのシフトもあり得ないことはないが、今回の結果を見ると、各社ともハブ空港への集中が鮮明となった。会社経営としてやっている以上、利益の見込みにくい路線に就航させることは困難だが、同じ空港に同じような時間帯で複数の便を飛ばすのであれば、路線のバラエティを増やして直行の利便性を高めることも検討に値するのではないか。利用する側からすると、少なくとも日本からアメリカに行く際には圧倒的に直行便が便利である。
こんなところに就航してはどうか
ここから先は、ほぼ夢物語、かつワンワールドに偏ってしまうが、東海岸でそれなりのハブとなっている都市にも直行便を開設することは考えられないだろうか。
マイアミ:アメリカンの拠点で、中南米へのゲートウェイとなっている。期間と曜日が限られてしまうが、日本からのクルーズ乗船ツアーの利用も見込めるのではないか。
シャーロット:元USエアーのハブ空港なので、アメリカンとしては日本線まで考えていないのだろうが、国内線の路線網は相当充実している。日本からだとシカゴと比べて行き過ぎる感じになるのが難点か。
ワシントンDCではナショナル空港と言いたいところだが、イミグレーション・通関の施設がなく国際線の取り扱いができない。そこで、ボルチモア空港にLCC扱いで就航というのはどうだろう。乗り換え需要は全く見込めないし、空港からの交通手段が旅行者にとっては今ひとつ整っていないというのも難点ではある。
マイアミであれば毎日ではなく曜日限定、さらに季節運行にすればかろうじて可能性が無いこともないだろうが、その他はやっぱり無理な感じだろうか。
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